同棲って楽しいものじゃないの？
令和を迎えた今、同棲と聞くと幸せで楽しい印象を持つ方が多いはずです。
しかし、いわゆる「婚前交渉」が一般的ではなかった1970年代の同棲は現在のイメージとは全く違い暗いものでした。
同棲から結婚という流れではなく、同棲し妊娠し堕胎し破局に至るという悲しいカップルの結末が多かったのです。
しかしそんな中でも、自由恋愛を求め愛し合うカップルたちの間で同棲ブームが巻き起こりました。
「同棲」という言葉が流行語になり、社会現象にもなったほどです。
今回は、1970年代の同棲ブーム時に誕生した「同棲時代」という物語についてご紹介します。
昭和の同棲カップルの状況そして悲しい結末に、情念がわきついつい見てしまう興味深い作品です。
同棲時代のドラマとあらすじ
同棲時代のテレビドラマは、漫画「同棲時代」のヒットを受け1973年2月に放送されました。
脚本は「ふぞろいの林檎たち」等、後に数々の大ヒットドラマを手掛けることになる山田太一さんです。
「脚本山田太一」の手腕もあり、同じ物語でも漫画とは違った味わいを感じます。
物語は、広告会社勤務の今日子とフリーのイラストレーター次郎の一間のアパートでの同棲生活。
愛と性の間で気持ちが揺れ続ける二人の同棲生活は一見自由でありながらも内心は不安定な印象です。
その気持ちの不安定さから次第に今日子の精神状態は崩れていきます。
そして妊娠に気づいた今日子は、悲しい決断を下す・・・というあらすじです。
今日子役に梶芽衣子次郎役は沢田研二で、哀愁漂う同棲生活を見事に演じています。
同棲時代の漫画
同棲時代の漫画は、1972年3月から1973年11月にかけて漫画アクションに連載されました。
作者は上村一夫さんで、昭和を彷彿とさせる独特な画のタッチと人物の複雑な感情描写がとても素晴らしいです。
今日子と次郎が発する言葉と描かれている表情から、男と女の気持ちの温度差が伺えるシーンが何度もあります。
結婚というゴールが無い同棲生活の「暗さ」は、画のタッチ全体から感じ取ることが出来ることも作者のテクニックですね。
同棲時代の歌詞
同棲時代の映画で使用された歌手の大信田礼子さんが歌う「同棲時代」の歌詞をご紹介します。
同棲時代の悲しい物語を思わせる哀愁漂う歌詞がとても魅力的です。
大信田礼子さんのハスキーな歌声で大人びた哀愁漂う曲に仕上がっています。
曲のリリース当時の25歳だった大信田礼子さんですが、歌声は実年齢以上に大人びていてびっくりです。
「同棲時代」
作詞：上村 一夫
作曲：都倉 俊一
ふたりは いつも傷つけあって くらした
それが ふたりの愛のかたちだと 信じた
できることならあなたを殺してあたしも死のうと思った
それが愛することだと信じ
よろこびに ふるえた愛のくらし 同棲時代
寒い部屋でまぼろしを見てくらしたそれが ふたりの愛のかたちだと 信じた
泣いて狂ったあたしを抱いてあなたも静かに泣いてた
それが愛することだと信じ
よろこびに ふるえた愛のくらし 同棲時代
それが愛することだと信じ
よろこびに ふるえた愛のくらし 同棲時代
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「同棲時代」：まとめ
今回ご紹介した内容をまとめてみます。
- 同棲時代のドラマは山田太一脚本で漫画とは違った味わいを感じる
- 同棲時代の漫画は独特なタッチや表情の描写が素晴らしい
- 同棲時代の歌詞は物語を思わせる哀愁が魅力
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今とは時代背景が異なる昭和の同棲生活を描いた「同棲時代」を今見ると、物語として逆に新鮮に映ります。
興味のある方は同棲時代で「昭和の哀愁」をじっくりと感じてみてください。
