最近、ニュースや雑誌などのメディアで「事実婚」という言葉をみることも多くなってきました。
同棲が長期になって実質的に結婚しているのと同じ状態で、周りも夫婦として扱っているような場合には、2人は事実婚状態にあると認められることがあります。

周りからは結婚していると思われることが多いんだけど、じつは入籍していないよね…
入籍しないと何か困ることがあるのかな?

同棲してるんだけど、これは事実婚とは違うのかな?
わたしも同棲していて、彼氏とどこかに出かけると、夫婦と間違われることが多いんですよね!
事実婚と同棲ってどう違うのか?入籍しないとどんなデメリットがあるのか?
とても気になって調べましたので、同じような疑問をもつ方はぜひ参考にしてみてください。
事実婚って何?同棲と事実婚の違い
まずは、同棲と事実婚の違いから確認していきます。
「事実婚」という言葉のとおり、事実婚は、「婚姻をしていない状態だけど婚姻しているような事実のある状態」を指します。
ニュースなどで「A氏はBさんと内縁関係にあり…」という言葉を聞いたことはありませんか?
この「内縁関係」が事実婚と同じ状態なのだそうですが、「内縁関係」より「事実婚」のほうが、今風で聞こえがいいように感じますが、みなさんはどうですか?
では同棲と事実婚は何が違うのか、具体的にみていきましょう。
事実婚には「婚姻」の意思が必要
同棲が事実婚と認められるには、まず「婚姻」の意思が必要なのだそうです。
婚姻の意思は、将来は結婚をする予定と2人の間で決めて既にお互いに夫婦として生活していたり、認知した子どもがいたりする場合などを指します。
1人だけが「結婚をしたい」と思っていても、もう1人が「そのつもりはない」と思っていたら、事実婚とは認められないということです。
どんなに長い同棲生活を送っていても、2人に婚姻する予定がなければ、同棲しているだけの関係だと思うと、ちょっとさみしいですよね。
これを知ってわたしは、

将来いずれは結婚したいよね?
と彼氏に聞いちゃいました(笑)。
2人で共同生活をしていること
事実婚と認められるには、「2人で共同生活をしている」という要件が必要になります。
ただ同棲カップルであれば一緒に住んでいるので、あてはまりそうですね。
ちなみに、同棲していなくても、同じお財布で生活している状態の「同一の家計」であればよいそうです。
住民票を利用しよう!事実婚と客観的に認められるための方法
同棲していても、「とりあえず仮に同棲しているだけ」と思っている場合は、住民票は別々の住所というカップルも多いのではないでしょうか?
同棲が事実婚であると客観的にわかる方法として、じつは住民票を利用するという方法があるんです。
同棲も長くなって、結婚はまだハードルが高いけど事実婚として認められたいと思っている方は、住民票を一緒の住所にすると良いですね。
住民票を同じ住所で同一世帯として届け出るようにし、たとえば世帯主を彼氏とした場合。
彼女との続柄を「同居人」ではなく、「妻(未届)」として届け出ると、今後発行される住民票の記載が「妻(未届)」となります。
住民票という客観的な書類に、未届でも「妻」と記載されると客観的な事実が変わります。
何かトラブルがあって事実婚を主張したいときに、2人の間で婚姻の意思があったかないかを争わずにすみ、効果は大きいですね。
入籍しないとどんなデメリットがあるの?
同棲していて入籍をしていないと、事実婚と認められる可能性があることは理解して頂けたと思います。
実際に入籍するのとしないのでは、どのような違いがあるのでしょうか?
パートナーが亡くなったとき
入籍していない事実婚のカップルは、どちらか一方がなくなっても、もう1人は法定相続人という法律で決められた相続人ではありません。
遺言を書いて残されたパートナーに遺産を残すという方法はありますが、籍を入れている場合と比べると手続きが面倒で、税金面でも不利になるというデメリットがあります。
また、ほかに法定相続人がいた場合には、遺産が少なくてもトラブルになる可能性が高いです。
もし、同棲しているカップルでパートナーに身寄りがなく、自分に何かあったら心配だから遺産を残したいと思っている場合には、入籍しておいたほうがよいでしょう。
子どもができたとき
入籍していないカップルに子どもができて生まれた場合には、子どもは母親の籍に入り、名字も母親の名字になります。
認知手続きをすることにより、父親と法律的な親子関係になることはできますが、認知手続きが必要になりますが、親権は母親が持ちます。
子どもが生まれると、出生や保育園などの手続きでさまざまな書類が必要になり、父親と名字が違うと少し面倒な思いをすることになるかもしれません。
また、子どもが大きくなったときに、自分の名字と父親の名字が違うことに違和感を感じてしまうかもしれません。
ひと昔前は、入籍していないカップルの子どもは相続で不利になるなど、入籍していないことでのデメリットがありました。
しかし今では子どもについては、両親が入籍していなくても不利な部分はほとんどなくなりました。
ただそうはいっても、やはり子どもにとっては親子は同じ名字であることが自然だと思うので、子どもができたら入籍するのがよいと思います。
税金面で不利になる
夫婦だとパートナーの収入が少ない場合にパートナーの生活を支えるために配偶者控除という制度が認められ、税金を計算するときに有利になります。
事実婚だと、法律上の「配偶者」ではないので、この配偶者控除の制度を利用することができません。
社会保険の面では、事実婚のカップルにも、パートナーの収入が少ない場合に被扶養者となり、収入がある人の社会保険に入ることができる制度があります。
ただしこの場合は事実婚であることの証明をしなければなりません。
この扶養については、こちらの記事で詳しく説明していますので、参考にしてくださいね。
入籍しないカップルも増えている!事実婚を選ぶ理由
入籍しないとさまざまなデメリットがあるにもかかわらず、事実婚を選ぶカップルも増えています。
大好きな人と結婚して同じ名字を名乗って生活するのも楽しそうだと思いますが、事実婚を選んでいるカップルは、どうして入籍をしないのでしょうか?
事実婚でも相手に対する責任があるから結婚しているのと同じ
結婚していなくても、事実婚のカップルは結婚している場合と同じように相手に対する責任が出てきます。
貞操義務
結婚していて浮気すると、浮気したほうが法律的に悪者となり、浮気されたほうが慰謝料請求権が発生し、離婚を請求されたら応じなくてはならなくなってしまいます。
結婚した場合は結婚相手以外と性行為をしてはいけないというのが、貞操義務です。事実婚でも、同じように貞操義務が発生します。
とはいっても、事実婚ではないけど同棲しているカップルや、つきあっているだけのカップルでも、パートナー以外と性行為をするのはモラルに反しますよね…。
事実婚になるとそれが法律的な義務となるので、結婚していなくても安心と思う人もいるようです。
協力して生活する義務や費用の分担義務
結婚すると、夫婦は相互に助け合って生活し、生活費や子どもの養育費を分担する義務が発生します。
籍を入れる入れないにかかわらず、「相互に助け合って生活する」ということをうまくできていれば、そのカップルは末永く幸せに暮らしていけそうですよね
名字を変えたくないカップル
女性でもバリバリと仕事をしている人が多い現代社会では、名字が変わることを嫌がる女性も多いようです。
事実婚のデメリットとして名字がバラバラになってしまうということがありますが、名字を変えたくなくて事実婚を選んでいる人もいます。
わたしの友人で、女性で弁護士として活躍し旦那様はお医者さんで子どもも3人いるという人がいるのですが、その人は夫婦別姓を推奨していて、あえて入籍しないで事実婚をしています。
自分の考え方を生き方で表現している姿勢がとてもかっこよく、すてきだなと思います。
戸籍に記録が残らない
結婚してしまい離婚をすると、戸籍に結婚し離婚したという記録が残されてしまいます。
事実婚の場合は、入籍していないのですから離婚をした場合も戸籍に記録が残りません。
また、「結婚したら籍に入らなければならない」という価値観は、女性は男性に従属するといった風習の理由にもなっています
しかし事実婚であれば籍に入る必要がなく、男女関係に対する価値観も変化すると考えられます。
「入籍すると相手の家のことを考えなければならないし、別れるときに面倒だから、事実婚がいい。」というカップルも多いです。
「家」や「家系」を大切にする日本の風習もいいものだと思いますが、事実婚が増えてくると、日本の古い価値観も変化してくるのかもしれませんね。
同棲と事実婚の違い:まとめ
メディアでとりあげられることも多い事実婚について調べてみましたが、いかがでしたでしょうか?
事実婚のデメリットの多くは、税金面と姓名・戸籍面です。
カップルがそれぞれ経済的に自立し、名字がバラバラであることや公的書類の手続きが面倒であることにこだわらないのであれば、事実婚もよさそうですね。
わたしの場合は、同じ名字で生活できるので結婚もいいなあと思っていますが、相手の家のことなどを考えるのが正直面倒です・・・。
そういったことを考えなくてすむ事実婚もいいな!と思っています。
事実婚は、法律にしばられていないのに、夫婦として相手のことに責任を持って暮らすスタイル。
「わたしたちは自由だけど責任もしっかり果たしている」という感じがして、ステキだと思います。
そのためにも、自分に合った生き方を選択できるように、性別関係なく個人でしっかりと稼ぐ力を身につけておかないとですね。
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